オフィスレイアウトの平面図をExcelで作成する方法をご存じですか。専門的なソフトがなくても、大まかなオフィスレイアウト図ならExcelで作成できます。

本記事では、オフィスレイアウトの平面図作りで悩んでいる方に向けて、Excelでレイアウトの平面図を作る手順や、Excelを使用するメリットなどを紹介します。オフィスレイアウトを作成する際の注意点やポイントなども解説するので、本記事を読んでExcelで平面図を作成し、理想的なオフィスの実現に生かしましょう。

 

1.オフィスレイアウトの平面図はExcelで作れる!

 オフィスのレイアウト図とは、オフィス空間の配置や構成を示した設計図です。

このレイアウト図は、基本的な図であればExcelでも十分に作成できます。

詳細なオフィスレイアウトを作成するには「Jw_cad」や「AutoCAD」などのソフトを使用するケースも少なくありません。しかし、これらのソフトはどちらも高性能なため、操作が複雑で習得に時間がかかってしまいます。

一方、Excelは直感的に操作できるシンプルな設計が特徴なので、比較的どのような方でもレイアウト図を作成しやすいでしょう。

 

2.Excelでレイアウトの平面図を作る手順

Excelでレイアウトの平面図を作る手順

ここでは、Excelを使ってオフィスレイアウトの平面図を作る手順を解説します。5つのステップに沿って作成してみましょう。

 

1.方眼紙を作成する

最初のステップでは、Excelのセルを小さな正方形にして方眼紙を作成します。

まず、左上隅にあるセルの左上をクリックして全体選択を行ったら、セルとセルの境界線をクリックしてピクセル数を表示します。ここでは「高さ」を36ピクセルに調整しましょう。

次に、セルの左上をクリックして同じ要領で全体選択をし、セルの境界線をクリックして手動でセルの「幅」を同じ36ピクセルにしましょう。

2.用紙のサイズを設定する

 次のステップでは、印刷しやすいように用紙のサイズを設定します。

「ページレイアウト」のタブから「用紙サイズ」を選択したら、印刷する用紙のサイズを選択してクリックします。その後、再度「ページレイアウト」のタブから「印刷の向き」を選択したら「横」に設定しましょう。

この設定で印刷用紙のサイズの枠が点線で表示されるため、レイアウト図を作成する範囲が分かりやすいです。より枠線を見やすくしたい方は、「セルの書式設定」から「罫線」を引きましょう。

3.マスのサイズを決定する

ステップ3では、1マス当たりのサイズを設定して自社オフィスのサイズにセルの幅を調整しましょう。

前述のステップ1・2を行うとExcel上では55×37マスとなります。ここで、1マスを50cmに設定すると「縦18.5cm・横27.5cm」、1mに設定すると「縦37m・横55m」になります。この時、平面図上に改装前後の2つの図面が並ぶように調整しましょう。

4.レイアウトを決め線を引く

ステップ4では、どこにどのようなスペースを作るかレイアウトを検討して選を引いていきます。

最初は何も設置していない状態のオフィス間取り図を作成し、どこに何のスペースを作るか考えながら境界線を入れていきましょう。この時、Excelの「図形」のタブの中から、四角や線の図形を使ってドアや間取りを作成します。

5.備品を書き入れる

最後のステップでは、備品を書き入れていきます。

備品とは、テーブルや椅子、キッチンなどです。Excelには備品の素材がないので、外部サイトから素材を集めて挿入するのがおすすめです。使用しているパソコンのスクリーンショット機能を活用してExcel上でペーストすると、簡単に書き入れができます。

 

3.Excelでオフィスレイアウトの平面図を作るメリット

 ここでは、Excelを使ってオフィスレイアウトの平面図を作る主なメリットを2つ紹介します。

 

誰でも気軽に使える

Excelでオフィスレイアウトの平面図を作成するメリットの一つに、普段使い慣れている人が多いことが挙げられます。

使用しているパソコンがWindowsだと標準装備されていることが多く、新たにダウンロードせずに使用できるケースも多いでしょう。また仕事でExcelを活用している場合、操作に慣れている人も多く、新しく操作方法を学び直す必要がないのもメリットです。前述の通り、簡単なマスの調整と図形機能で十分な平面図が描けます。

実際の寸法に合わせて図面を作れる

実際のオフィスの寸法に合わせて図面を作成できることも、Excelでオフィスレイアウトの平面図を作成するメリットの一つです。

一般的に、手書きやプレゼンテーションツールでは平面図の縮尺を合わせることが難しいです。そのため、通路や家具の寸法を間違ったままオフィスレイアウトを検討してしまうケースもあるでしょう。

寸法が間違ったままだと、後に家具が搬入できないなどのトラブルにつながる可能性が高くなります。このようなミスを防ぐには、Excelで実際の寸法に合わせた図面を作成しましょう。

 

4.Excelでオフィスレイアウトの平面図を作る際の注意点

Excelでオフィスレイアウトの平面図を作る際の注意点

 Excelでオフィスレイアウトの平面図を作る際は、いくつか気を付けるべきポイントがあります。ここでは、平面図を作成する際の注意点を2つ解説します。

 

壁の厚みなどを考慮するのは難しい

Excelでオフィスレイアウトの平面図を作成すると、壁の厚さや建具枠を正確に反映させることが困難です。

Excel上で作成する平面図では壁は単なる線として描かれますが、壁には厚みがあるので、実際の空間は図面より狭くなります。そのため、レイアウトを設計する際はゆとりを持った配置を意識しましょう。
とはいえ、オフィスの最終的なレイアウト判断は通常、専門知識を持つ工事業者が行います。Excelで作成するオフィスの図面は、詳細な設計図ではなく、大まかな配置を示す概略図として使用されることを覚えておきましょう。

細かな描画は難しい

Excelでオフィスレイアウトの平面図を作成する際は、細かな描写が難しいことにも注意しましょう。

Excelの図形機能は、専門ツールと比較すると精密な作図に不向きです。そのため「このエリアにこのサイズのオフィス家具を配置したい」などの要望は、印刷した図面に手書きで加える方法も有効です。

 

5.オフィスレイアウトを考えるポイント

 オフィスレイアウトを考える上で押さえておきたいポイントを3つ紹介します。実際にレイアウトを考える際は、参考にしてください。

 

コンセプトを決めてからレイアウトを作る

オフィスレイアウトを考えるポイントの一つが、コンセプトを軸にしたレイアウトの作成です。

コンセプトとは、従業員がどのような働き方を実現したいのか、会社の理念や文化をどう空間に反映させるかなどの方向性を定めることです。このコンセプトが設計の軸となり、レイアウトやデザインの選択肢の指針になります。

コンセプト決定には、現状のオフィスの問題点の洗い出しや、今後の組織の変化・成長予測などの考慮が必要です。またオフィスで働く従業員へのヒアリングを行うと、「もっと気軽に使用できるミーティングスペースが欲しい」や「通路の幅を広くして欲しい」などの具体的な意見を収集できます。

このように現場の課題を把握すると、課題解決を図って従業員の満足度を高めるレイアウト作成をスムーズに進めやすいでしょう。

通路の幅や一人当たりのワークスペースを確保する

オフィス内の通路の幅や一人当たりのワークスペースの確保も、オフィスレイアウトを考えるポイントの一つです。

特に、通路幅やデスク配置の間隔は、「狭くて働きにくい」などの問題を防ぐためにも、慎重に設計する必要があります。オフィスの適切な空間設計は、従業員の生産性向上にも直結する大切な要素です。以下を参考に幅を検討しましょう。

● メインの通路幅:60~160cm程度
● 座席間・デスク間の通路:160~210cm程度
● 壁に面した座席背面の通路:85~120cm

また一人当たりの作業スペースは、着席時のデスクと椅子の距離が45cm程度になるよう設定するのが一般的です。これらの寸法を意識すると、オフィス内での従業員の移動がスムーズになります。

間仕切りの種類を意識する

間仕切りの種類の選定も、オフィスレイアウトを考えるポイントの一つです。

オフィス内の間仕切りには造作壁やパーテーションなど、厚みや特性が異なるものがあります。そのため、レイアウト設計時は各間仕切りの違いを理解し、目的に合ったものを選ぶことが大切です。

例えば、集中作業が必要なエリアには遮音性の高い壁、柔軟性が欲しいエリアには移動可能なパーテーションを採用するなどです。

 

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6.最終的には業者に平面図の作成を依頼するのがおすすめ

 オフィスレイアウトの検討段階ではExcelでの自作平面図が有効ですが、最終的な実施設計は専門業者への依頼を行うのがおすすめです。

一般的に、専門業者はオフィス設計の法的要件を熟知しています。例えば、建築基準法では通路幅などの規定、消防法ではパーテーションで個室を設置した際の避難経路、非常灯やスプリンクラーなどの設備要件が定められています。他にも、労働安全衛生法では社員一人当たりの面積(約1坪)や照明の明るさ(150ルクス以上)が定められているなど、法的要件にはさまざまなものがあります。これらの法規制を満たしたレイアウト設計を行うには、専門業者の知識が不可欠です。

また専門業者は現地を正確に計測できるスキルを持っているので、精度の高い図面を作成できます。移転先オフィスの正確な寸法、配線や照明の位置などを測定できるため、その後の内装工事や家具配置を適切に行えるでしょう。

このように、オフィスレイアウトの検討を行う際は、Excelで作成した平面図で全体のイメージを業者に伝え、専門家の技術で詳細を詰めていくアプローチが効率的です。

 

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7.まとめ

 Excelは多くの方が日常的に使用しているツールなので、専門的なソフトと比べて簡単な操作でレイアウトを作成できることが魅力です。

またオフィスレイアウトの作成には、明確なコンセプト設定、適切な通路幅やワークスペースの確保、目的に合った間仕切りの選定などが欠かせません。これらの要素を考慮すると、従業員の満足度や生産性向上につながるオフィス環境を実現できるでしょう。

ただし、Excelを使った作図では壁の厚みや細かな描画の難しさもあります。そのため、最終的な設計では、建築基準法や消防法などの法的要件を熟知し、正確な現地測定ができる専門業者への依頼をおすすめします。

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