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目次
前回の記事では、「ABW」、Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)という昨今の情勢を反映した、新しい働き方のメリットやデメリットをレポートさせていただきました。
私たちの職場、会社の「オフィス」。
このような、働く場としての「オフィス」はいつ頃からあるのでしょうか?その時代時代で、働き方とオフィスは、密接に関係し変化してきました。
働き方が変われば、オフィスのスタイルも変わっていく・・・。あらためてオフィスの歴史を振り返ってみたくなりました。
「決まった時間、決まった場所に、集合して働く」
このような概念が生まれ、働く場所を「オフィス」とカテゴライズしたワークスタイルができたのは、産業革命期のイギリスといわれているそうです。
それ以前の仕事は、「雇い主の家」で働くことが普通だったそうです。
そして、世界初のオフィス専用ビルは、1729年にロンドンで竣工された東インド会社の建物といわれています。つまり、労働者が工場やオフィスに集まって、集中的に業務を行う現代のワークスタイルが定着化していったのは、約300年前からということになります。
当初、一般的だったのは学校の教室のような、全員が同じ方向を向いたオフィスです。
アメリカや日本では、1960年代頃まではこのスタイルが主流でした。(昔の洋画のオフィスシーンで馴染みがあります。)
工場での大量生産、徹底した管理主義、労働者は機械のように効率的に仕事をすることが求められていました。現代より単純な事務作業で、隣の人と話すことは生産性が落ちる行為だと捉えられていたのです。
「労働者同士にコミュニケーションなど不要!」現代ビジネスのように、情報のやりとり、社員同士のコミュニケーションや交流を大事にしている考え方と全く反対です。
オフィスデザインの先進国とも言える欧米。
1960年代、ヨーロッパでは大戦の混乱が落ち着き、ヒューマニティーを見直す動きが活発になります。これに伴い、労働環境のあり方や働き方も見直されるようになります。また、会社としての機能が多岐に広がる中で、社員同士コミュニケーションの必要性が求められていました。
米国では、オフィスレイアウトは、ローパーティションで個人のワークエリアを仕切るブース型のゾーニングが主流となり、またグリーン(観葉植物)などもバランス良く配置するオフィスデザインが広がっていきました。
ヨーロッパでは、ドイツの経営コンサルタント会社が、組織間や個人間の情報の流れを科学的に分析し、デスクレイアウトに反映させると同時に、個人のプライバシーを確保する「オフィスランドスケープ」スタイルを提唱。壁などの固定の間仕切りは使用せず、代わりにローパーテーション/家具/観葉植物などをランダムに用い、適度なプライバシーを確保するという、アメリカとヨーロッパを融合させたようなオフィスレイアウトのトレンドが生まれました。
オープンなコミュニケーションとクローズな作業効率性の両立。機械的な机の配置をやめ、情報の流れやコミュニケーションの関係性から考えられた円形や斜めのリズミカルな配置が取り入れられました。
オフィスデザインの中に、「働く人の多様性」が考慮されたオフィスのはしりで、現代のオフィスの先進性の源流となるものです。
明治~大正
日本初のオフィス専用ビルは1894 年(明治27年)に竣工された「三菱一号館」であり、イギリスと比べると150年以上も後になります。
「三菱一号館」が建てられた東京・丸の内は、1914年(大正3年)の東京駅完成以降、事業所の新設や移転が相次ぎ、オフィス街が形成されていきました。
今日の「OL」が誕生したのも大正時代から。
日本において、オフィスビルで働くというワークスタイルが登場してからは約130年ということになります。実は、この頃からオフィスのレイアウトは島型対向式の現代にもあるデスクレイアウトが採用されており、日本のオフィスは現在とあまり変わりない様相だということです。
昭和
<1960年代>いまだ圧倒的なシェアを誇る島型デスクの形態
当時、日本で主流になっていたのは、今でも目にする島型の机配置です。
単純に面積効率が高く、スペースあたりに、たくさん人を配置することができ、日本の組織形態や和を以て貴しとなすといった風土に合っていることもあり、現在でも営業系の会社を中心に主流はこの形です。
ちなみに今では考えられない昭和時代のオフィス風景といえば、「喫煙」事情。部屋でモクモクは当たり前。多くの企業では、それこそ平成の途中まで、若手社員が上司の灰皿を、各デスクに置いてまわる企業も・・・。本当にあった話です。
<1970年代>高度経済成長した日本の”モーレツ”。狭小団地が新時代なら、オフィスも相変わらずの「密」。
日本は高度経済成長が始まったばかり。
まだ社会に余裕もなく、オフィス環境の向上は二の次でした。
現代であれば、スマホでいつどこでも通話が当たり前ですが、この時代は、
複数の卓上固定電話機が常にリンリン、リンリン。
通話の話し声もギャンギャンギャンギャン。
同時に電話が鳴ると、社員同士が至近距離で電話をする必要があり、声が聞こえづらく苦労したことも。個人モバイルフォンが定着するまではお馴染みの光景でした。
そんな日本のオフィスの仕様が変わり始めたのは、1980年代に入ってからのことです。
<1980年代>バブル期にオフィスのインテリア性の追求が始まる
バブル期で深夜残業やストレスが増大し、休憩スペースやインテリア性へ意識が向いていきます。
OA化、「office automation(オフィスオートメーション)」への対応にも迫られ、環境整備が行われました。現代のオフィスは休憩スペースも適切に配置されるオフィスも増えてきました。
平成
<1990年代>フリーアドレスという概念の誕生
リッチにオフィス空間を使えたバブル期も終わり、バブル崩壊後の不況により、オフィスに効率性を重視する考えに揺り戻しでシフトしていきます。
限られたオフィススペースを有効に使う、フリーアドレスはこの頃に日本で生まれたと言われています。
<20000年代>来客部分の「見えるところ」はデザインしていた20年前のオフィス
2000年代に入り、企業の存続のためには、よりクリエイティブであり、次々とイノベーションを起こすことが重要になりました。
しかしながら、20年ほど前のオフィスデザインは働き方や生産性というよりも、来客や役職待遇を重視する「見た目やおもてなし思考」の強いものがトレンドとなりました。重厚感のある木製家具や革張りのソファが応接室や会議室、役員室の内装や家具として多く取り入れられていました。
とにかく受付と会議室だけはデザインされたオフィスが非常に多かった時代です。
一方でワークスペースはコストを掛けないと考える企業も多く、できるだけデスクや収納を多く配置し、内装はせずにオフィスを仕切る壁は短期で工事が可能なスチールパーティションが普及。色合いの少ない無機質なオフィスが多く見られるようになりました。
バブル期以降の”失われた20年”、その渦中でも新たなオフィスの在り方の流れを生んだのは、「IT」という新たな成長産業。オフィスデザインもまた大きく動き始めました。
<2010年代>IT化によるオフィスを取り巻く環境の変化。コミュニケーションを中心としたオフィスへ
日本のオフィスは大きな変化がなく推移してきましたが、IT化によって物を作らない事業も拡大し、また欧米や米国との海外事業展開が広まると同時にオフィスデザインにおける考え方や評価が変わってきました。
アメリカ西海岸にあるシリコンバレーに集まる企業、アップルやインテル、グーグル、フェイスブック、ヤフーなど、世界を代表するソフト・IT関連の企業の働き方やコミュニケーション、創造性を生み出すためのオフィスデザインが、日本企業にも大きく影響しだしたのがその背景です。
デジタル機器を利用して場所にとらわれない働き方をする人を「ハイパーノマド」や「デジタルノマド」という呼び名で広まり、「ノマドワーカー」という言葉で、インターネットがつながれば、どこでも仕事のできる人が増えてきたのもこの頃です。
企業でもIT化の推進によって、オフィス内での自席はあるものの、場所や時間にとらわれない働き方を取り入れる企業も出てきました。
そして、ITインフラの普及に伴いメールやチャット、SNSでのコミュニケーションが社内でも頻繁に行われるようになりつつ、日常的に行われるアナログ的なコミュニケーションもスピーディーで、柔軟性を大切にするという背景から、気軽に集まれる「フリースポット」なる場所もオフィス内に見られるようになっていきます。
カフェのようなデザインで、気軽に集まれて会話のできるフリーアドレス式のオフィス。
今までは打ち合わせをするためにミーティングルームを多く併設していたものが、オープンスタイルの空間の中にボックスタイプのソファなどを取り入れ、多少のプライバシーを設ける程度のオフィスも増えました。
ワークスペース自体もフリーアドレスタイプのデスクがトレンドとなり、日常的に席を選ぶことによって向かいや隣に座るメンバーも変わり、メンバー同士のコミュニケーションを生む工夫が促されるようになりました。
・・・しかし、です。
ここで、COVID(コビット)-19、パンデミックの発生です。
コロナがオフィスの必要性そのものを、根底から見直しを迫ってきました。
企業とそのワーカーたちに、感染の勢いそのままに、「働き方」をそうすべきか?を突き付けてきたのです。
令和
<2020年代>WITHコロナ。働き方改革とオフィスデザイン
働き方自体を見直さざるをえなかったコロナショック。
新型コロナウイルスの感染拡大は、在宅勤務、テレワークが前提となる働き方が普及せざるを得なかった企業も多く、これまでのオフィスのあり方についても再考せざるをえませんでした。
大企業のなかには、コロナをきっかけに都心一等地の自社ビルを売却したり、地方に拠点を移したりといった対応をした企業もあります。
中小規模の企業では、仕事はリモートワークでも対応できることがわかり賃貸オフィスを解約してバーチャルオフィスやシェアオフィスを利用するようになったという企業もありました。
そして、「アフターコロナ」へ向けた「オフィスのスタイル」の進化はいまも続いています。
「オフィスに集合して働く」という概念自体を柔軟に再考しつつ、コロナ禍においてテレワークの有用性は、図らずも浸透しました。
ITを活用したコミュニケーションも前提としながらも、
「オフィスというパブリックなスペースの中に、十分なワークスペースとプライバシーが確保された空間」こそが、生産性の側面からも最新最適なオフィススタイルである。
パーテーションラボは、これまでの記事でも記してまいりました。
パーテーションラボでは、現代の働き方にあった大小の空間間仕切りのご提案を可動性の高い間仕切りのソリューションパーテーションを用いて、柔軟性のある『戦略的オフィス作り』のお手伝いをさせていただきます。
是非ご相談ください。
次回は、オフィス移転の注意点を考察してみようと思います。
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