鋼材の価格は2020年から大幅な価格高騰を続けて高止まりの状況です。

COVID-19によるパンデミック、ウクライナ危機による国内外のインフレと円安が加速、海外の需要の拡大が大きな要因の1つではあるものの、国内の事情も複雑に絡み合って、鋼材価格高騰は建設資材物価や建築価格上昇に反映しています。

そもそも、鋼材の海外需要の増加が、COVID-19パンデミック後の経済回復や大規模な建設プロジェクトの増加によって引き起こされました。これに加えて、中国の鋼材生産の制限があったことも、世界的な鋼材市場に影響を与えました。

日本国内においては、鋼材メーカーが自社の生産コストを削減するため、また、製鉄業界における環境規制の強化や省エネルギー化による生産量の減少が発生しています。そのため、鋼材メーカー価格を引き上げることが必要になったということが上げられています。

原材料の価格の上昇は、鋼材価格の上昇に直接影響しています。例えば、鉄鉱石や石炭などの原材料価格が上昇した場合、当然、鋼材メーカーは生産コストが上がるため、価格を引き上げることが必要になります。

以上のような要因が絡み合って、鋼材価格の大幅な上昇は発生しています。

 

1.2021年に世界的な需要の増加や原材料価格の高騰、鋼材価格が急上昇

 鋼材の原料となる鉄鉱石の価格が急騰し2021年5月には200ドルを突破、6月には214ドルという高値を付けました。

その後は一時的に価格が下落したり、変動が激しくなったりするなど、不安定な状況が続いています。それまでの経緯も含めて、どのような状況と背景があったのでしょうか?

「高騰する鋼材価格の動向|建設市場レポート2022年11月版」によると、2020年のCOVID-19パンデミックの拡大以降、さらに世界中の鉄鉱石生産や輸送に影響が生じ、需要と供給のバランスが崩れました。中国をはじめとする世界各地の鉄鋼生産メーカーは、復旧した需要に対応するために大量の鉄鉱石を必要とし、鉄鉱石の需要が急増しました。

また、中国政府では環境規制の強化を進めており、鉄鋼業界においても、環境規制に適合するために生産を制限することが求められています。これにより、中国の鉄鋼メーカーは、鉄鉱石の需要が急増する中、生産量を制限せざるを得なくなり、鉄鉱石の価格が上昇する要因とにも繋がったと言われてます。

一方、鉄鉱石生産においては、豪州やブラジルなどの主要な鉄鉱石生産国での生産量低下や輸出制限などの影響により、供給が不足しています。特に、豪州産鉄鉱石の生産量が低下したことにより、鉄鉱石の供給不足が顕著となりました。

鉄鉱石は、鉄鋼以外にも、銅、アルミニウム、亜鉛などの金属の原料としても利用されます。特に、世界中でインフラや建設などの需要が高まり、銅やアルミニウムなどの金属需要も増加しています。そのため、鉄鉱石の需要も増加し、価格上昇に影響を与えました。

鉄鉱石価格の急騰は、具体的にはこれらの世界市場の要因が絡み合って引き起こされたと言われています。鋼材の価格はコロナ前の水準には戻っておらず、未だ高水準に留まっています。

引用:「高騰する鋼材価格の動向|建設市場レポート2022年11月版」

 

2.鉄鋼の製造に必要な鉄鉱石やエネルギー資源を輸入に頼っている日本

 日本は、鉄鋼の製造に必要な鉄鉱石やエネルギー資源などをほとんど輸入に頼っているため、国際市場の価格変動に影響を受けやすいという側面があります。

日本国の鉄鋼の製造に必要な鉄鉱石やエネルギー資源の国内受給割合は以下の通りです。

 

1.鉄鉱石ほとんどが輸入に頼っており、国内受給割合はなんと、約0%!

2.石炭:国内産の石炭もありますが、ほとんどが輸入に頼っており、国内受給割合は約11%。

3.鉄スクラップ:国内で回収された鉄スクラップが主な原料となっており、国内受給割合は約85%。

4.原油:ほとんどが輸入に頼っており、国内受給割合は約9%。

 

                        3.「資源国」鉄鋼メーカーの巨大な生産能力

                         世界的に有名な鋼材販売大手企業には、以下のような企業があります。

                         

                        アルセロール・ミッタル (ArcelorMittal):ルクセンブルクに本社を置く、世界最大級の鉄鋼メーカーであり、鋼材販売でも世界トップクラスの規模を誇ります。

                        POSCO (ポスコ):韓国の鉄鋼メーカーであり、鋼材販売にも力を入れています。

                        ThyssenKrupp (ティッセンクルップ):ドイツの多角企業であり、鋼材販売部門もグローバルに展開しています。

                        Baosteel (宝鋼集団):中国の鉄鋼メーカーであり、鋼材販売にも力を入れています。

                         

                        この他にも、世界各国には多くの鋼材販売企業が存在しています。

                        日本では、日本製鉄株式会社が日本国内における鋼材販売では最大手の企業の一つです。日本の鉄鋼メーカーの技術力は、世界的に見ても高いと評価されていますが、世界の鉄鉱石や石炭を豊富に産出する「資源国」の鉄鋼メーカーは、近年急速に技術力を向上させ、生産能力を拡大しています。特に中国の鉄鋼メーカーは、近年の急激な経済成長に伴い、巨大な生産能力を持つようになり、世界最大の鉄鋼メーカーとなりました。また、近年の環境問題への対応や高付加価値製品の生産など、技術力の向上を目指した取り組みも行われています。

                        当然、日本の鉄鋼メーカーも高品質な製品の生産や省エネルギーなどの環境負荷の低減にも力を入れ、その競争の結果、鉄鋼業界は世界的な過剰生産に陥り、鉄鋼製品の価格競争が激化しました。中国メーカーの安い鋼材が輸出されるにより、日本の鉄鋼メーカーは一層厳しい状況になってきているのは事実で、日本最大手の日本製鉄が製品価格を引き上げ、他の会社も追随しました。

                        4.アルミパーテーションやスチールパーテーションの鋼材の種類

                         アルミパーテーションやスチールパーテーションに使われる鋼材の種類は、大きく分けて以下のようになります。

                        冷間圧延鋼板(SPCC):低炭素鋼板で、主にスチールパーテーションのフレームやドアなどに使用されます。

                        溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC):冷間圧延鋼板に亜鉛めっきを施したもので、防錆性や耐久性が高く、主にアルミパーテーションのフレームやドアなどに使用されます。

                        アルミニウム合金板:アルミニウムと他の金属を合わせた合金材料で、軽量かつ強度が高いため、アルミパーテーションのパネルに使用されます。

                        以上のような鋼材が一般的に使われていますが、使用用途や規格によって異なる場合があります。

                         

                        5.鋼材価格の高騰による建材資材物価や施工コストへの影響

                         日本国内における鋼材価格の高騰は、建設資材物価や建築コストに大きな影響を与えています。具体的には、鉄筋や鋼板などの鋼材を用いた建築物や土木工事の建設コストが上昇しています。

                        また、建築資材全般においても、鋼材の価格上昇によって、鉄筋や鋼板を含む鉄骨造の建築物の建設コストが高騰し、コンクリートや木材など他の資材にも影響が及んでいます。そのため、建築プロジェクトの予算やスケジュールにも大きな影響が出ているとされています。

                        さらに、鋼材の価格上昇は、建設業界以外にも自動車や家電、家具などの製造業にも影響を及ぼしています。このため、日本国内の一部の企業では、生産コストの上昇による利益の減少や価格の引き上げを余儀なくされています。

                         

                        6.鋼材価格高騰2023年最新、今後の動向

                         日本国内の鋼材の高騰はコロナ禍以降も、調査によれば、2021年6月には日本国内の鉄スクラップの価格が1トン当たり4万6,000円台となり、前年同月比で2倍以上に上昇したと報じられています。

                        また、これに伴い、鋼材メーカーの出荷価格も上昇し、建設業界や自動車業界などの生産コストも高騰する一因となり、2022年も値上がりし続けました。

                        直近の2023年も高止まりの傾向で、鋼材の需要や供給、原材料価格など様々な要因によって左右されるため、予測が難しい状況です。(引用:日本鉄リサイクル工業会

                         

                        現在のところは以下のような傾向が見られます。

                        まず、需要が依然として高いため、鋼材価格が下がることは難しいとされています。世界的な経済回復に伴い、建設や自動車などの需要が増加していることや、新興国のインフラ整備需要が高まっていることが背景にあります。

                        また、原材料価格の上昇が鋼材価格に影響を与えており、鉄鉱石や石炭などの価格が高止まりしていることが鋼材価格を支えています。これらの原材料価格の下落がなければ、鋼材価格が大きく下落することはないと考えられています

                        ただし、中国やインドなどの鉄鋼生産国が、環境規制の強化や省エネ対策を進めることで、鉄鋼生産量の抑制を図る動きが見られるなど、供給面の変化も鋼材価格に影響を与える可能性があります。

                        総合的に見ると、鋼材価格が今後も高水準を維持する可能性が高いとされています。

                         

                        パーテーションラボは、直面する鋼材高騰に対しても、安心と安全をはじめとした「品質維持」を優先いたします!

                         

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                        パーティション専門メーカーとして、国内海外からの鋼材調達の検討や代替材料の研究、生産効率の改善 、新しい製品の開発や、既存製品の改良を行うことで、全体的なコストを抑えながら「製品価値」を高めることに努力しております。

                        パーティション施工で、予算や納期でお困りの場合でもしっかりとご説明とご提案をさせていただきます。。是非ご相談ください。

                         

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