建築工事と内装工事の違いについて| パーテーションラボ

1.建築工事と内装工事の違いとは
2.内装工事の基礎知識
3.内装工事は、「内装仕上工事」と「設備工事」の2つに分けられる
4.内装仕上工事とは、「建築物の内装仕上げを行う工事」
5.設備工事とは、「建物内で利用される設備の導入工事」
6.よくあるオフィス内装工事の「制限」
7.設計と施工を一括で行う内装工事のフロー

　建築工事と内装工事が、どのように違うか解説し、オフィスや店舗の内装工事について解説していきます。

1.建築工事と内装工事の違いとは

　建築工事と内装工事の違いは、建物を一から建てるか否かです。

建築工事とは、何もないところから建物を建てる工事となります。新築工事はもちろん、増築工事、改築工事も含みます。

一方、内装工事とは、出来上がった建物の内部を整える工事です。具体的には、間仕切り壁、建具の設置、床・壁・天井の仕上げ工事などが該当します。

2.内装工事の基礎知識

　建築工事は主に建物の骨組みや外部構造を構築する工程であり、内装工事は建物の内部を仕上げて快適で機能的な空間を作り出す作業となります。

当然、異なる役割と専門知識を有しています。

専門技術として、建築工事は主に構造や基礎などの建築技術が求められますが、内装工事はデザイン、仕上げ材料の知識、および室内照明などの細部にわたる工事ノウハウが求められます。

関連業する業者も、建築工事は建設業者や建築家との協業が主にあり、土地の特性やその法規制に対する理解が求められます。一方で、内装工事は空間デザイナーやユーザーとの関わりが不可欠で、用途や嗜好性に合わせた仕上げを求められる立場にあたります。

工事工程に関しても、建築工事はビル開設プロジェクトの初期段階から進行し、建物の基本構造を設計するのに対して、内装工事は建築が終了した後に、内観デザインや機能、床や壁の仕上げ、照明、家具配置など、建物の内部を仕上げることを工事領域とします。

3.内装工事は、「内装仕上工事」と「設備工事」の2つに分けられる

　内装工事は、「内装仕上げ工事」と「設備工事」の2つに分けられます。

内装仕上工事とは、設計された内装デザインの通りに、空間内の壁・床・天井などを作り上げていく工事です。

設備工事とは、建物内で利用する設備を使えるようにするための工事です。具体的には、電気・ガス・水道・空調・換気の設備に関連する配管や機器の設置を行います。

4.内装仕上工事とは、「建築物の内装仕上げを行う工事」

　内装仕上工事（業種コード：190）は、建築物の内装仕上げを行う工事です。

これは、「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、畳、ビニール床タイル、力一ペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」と定義されています。

内装仕上げ工事の例として、以下が挙げられます。

●インテリア工事:家具工事（大工工事）

　室内デザインや配置に基づいて、家具や装飾品を取り入れ、空間全体の雰囲気を演出する工事。

●床仕上げ工事

　床仕上げ工事は、フローリング・クッション・フロアカーペット・塩ビタイル・長尺シート素材などを使用し、床面を仕上げる工事。オフィスでは、コンセントや配線を床下に隠すOAフロア工事も含まれます。

●天井仕上げ工事

　天井に無垢材、合板、ボード、パネルといった化粧板を張ります。

●壁張り工事:クロス工事、左官工事

　壁にクロス、壁紙、石膏ボードなどを施し、美観と保温・断熱性を向上させる工事。

●内装間仕切り工事（造作工事）：軽鉄（けいてつ）工事、ボード工事、木製・金属建具工事・建具工事

　室内の仕切り壁や、アルミやスチールなど施工型パーテーションを設け、各部屋のドアや収納を設け、異なる空間を創り出す工事。

●防音工事:

　吸音材や遮音材を使用して、建物内の音響環境を改善する工事。

●リフォーム工事：塗装工事、畳工事

　既存の建物や部分的な空間を改修し、新しいデザインや機能を導入する工事。

内装仕上げ工事は、建物内部の印象や雰囲気を決定づけ、利用者に快適で魅力的な空間を提供することが求められます。美的な要素と機能性を組み合わせることで、特定の目的に適した環境を生み出す役割を果たします。

5.設備工事とは、「建物内で利用される設備の導入工事」

　設備工事とは、建物で利用される設備を導入するための工事です。

設備工事とは、主に建物の電気、ガス、通信、防災・消火といった設備をつくる仕事です。一般的には、建物の基礎や構造ができたあとに、建物を使用するために必要な電気や水道、空調などの設備を取り付ける作業を行います。

設備工事には主に以下が挙げられます。

●電気工事

　電気工事とは、電灯やコンセントの設置、配線の施工など、建物内に電気配線を引き込み、照明、コンセント、スイッチ類の取り付け、使えるようにします。

●ガス工事

　ガス工事とは、キッチンや暖房、給湯などに使用されるガス設備を取り付けます。ガスコンロや給湯器などが含まれます。

●通信工事

　通信工事とは、インターネット、電話回線、TVなどの通信設備の取り付けや配線工事を担当します。これにはLANケーブルや光ファイバーの開通や、社内ネットワークなどが含まれます。

●防災・消火工事

　防災・消化工事とは、火災警報機や消火器、煙感知器、熱感知器、スプリンクラーシステムなどの防災・消火設備を設置します。入居する階、延べ面積、収容人員、業種などによって設置が義務づけられている設備に関する工事を行い、消防法に適合させます。

●給排水設備工事

　給排水設備工事とは、浴室やトイレなどの給水・排水設備を取り付けです。これにはパイプの敷設や各種水栓の設置が含まれます。

●空調設備工事

　空調設備工事とは、エアコンを設置して使えるようにしたり、メンテナンスを行う工事です。ビル全体の空調をビル管理会社が調整するセントラル空調ではない場合、区画内の空調設備（エアコン・ダクト・室外機など）は入居者側で工事する必要があります。

設備工事は、建物の外観や構造が完成した後、利用者が快適かつ安全に建物を利用できるようにするために不可欠な作業です。各種設備の正確な導入や配置は、建物の機能性や利便性に直結しており、これらの工事が適切に行われることで、建物は快適で効率的な生活や業務に適している状態に達します。

近年、SDGs（持続可能な開発目標）の観点からも、建築物の機能性向上は、省エネルギー・省資源・地球環境保全などに大きく関与するために、その重要性がますます大きくなっています。

6.よくあるオフィス内装工事の「制限」

●共用部と専有部の工事担当

　病院や学校のように、所有者が単独で全施設を使用する場合を除き、オフィスや店舗が入居する建物は、共用部と専有部に分かれています。

基本はエントランス、廊下、階段、エレベーター、トイレといった共用部はビル・施設の管理会社側（建物オーナー）が、専有部は借主（入居者）が、それぞれ内装工事を発注します。

●工事内容の制限やルール

　中身は空状態のスケルトン物件は、借主側で指向するデザインやコンセプトに合わせた内装デザインに工事ができますが、建物の構造、耐えられる重さなど、建築基準法で定められた壁や天井に用いる材料や、燃えにくいもの（不燃性・難燃性部材）を選ぶようにと制限しています。それらを踏まえ、貸主であるオーナー（管理会社）との規約に沿って工事する必要があります。

また退去時には、入居時のスケルトンの状態に戻さなくてはなりません。退去するときのことも考えて、設計・デザインを決定することが求められます。

7.設計と施工を一括で行う内装工事のフロー

　内装設計と内装施工を一括で行う内装工事会社は、1 社のみで設計と施工が行えることで、シンプルでスピーディーな対応が期待できます。

依頼先の会社に施工の為の職人がいない場合は下請けなどに依頼することになるため、工務店へ直接依頼した場合よりは費用はかさみますが、パーテーションラボでは、パーテーション専門職人をはもちろん、オフィスや工場/倉庫、店舗をはじめ様々な空間の内装工事の実績がありますので、常に専門のスタッフ体制のご提供が可能です。

ワンストップでの請負いのため、予算に応じた提案や、仕様変更に対する柔軟な姿勢でお応えいたします。

また、設計と施工の業者を別途選定する必要がないため、お客様側の業者手配の労力を煩わせることなく短工期で済むこともメリットです。