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目次
オフィスに個室を作ると、セキュリティ対策や業務の効率化などにつながります。
しかし、既存のオフィスに個室を作るとなると大がかりな工事が必要になるかもしれません。
大がかりな工事をせずにオフィスに個室を作るのであれば、施工型パーテーションを活用するのがおすすめです。
この記事では、パーテーションでオフィスに個室を作るメリットやパーテーションの種類、個室を作る際の注意点などを解説します。
パーテーションでオフィスに個室を設置することで期待できるメリットは、次のとおりです。
それぞれのメリットについて解説します。
セキュリティ対策になる
パーテーションで個室を作ることは、セキュリティ対策につながります。
例えば、間仕切り壁を設置せずに打ち合わせや重要な資料のやり取りをしていると、それを目にした従業員がうっかり外に情報を漏らしてしまう可能性があります。
また、商談などで社外の人間が頻繁に出入りする会社の場合、社外秘の情報が漏えいしかねません。
パーテーションで個室を設けることによって、情報の漏えいを防ぐことができます。セキュリティの精度をより高めるには、次のような工夫が有効です。
上記に加えて、オフィスレイアウトに応じてパーテーションの配置も調整することで、より高いセキュリティ効果が期待できるでしょう
従業員の業務が効率化する
オフィスでは、さまざまな従業員がコミュニケーションを取って業務を進めていくのが一般的です。
しかし、業務内容によっては、周囲の雑音に気を取られることなく集中したいという人もいます。
このような従業員に向けて、パーソナルなワークスペースの個室を提供すれば、業務の効率化が期待できます。
従業員の満足度が向上する
パーテーションで作った個室は、会議室や業務用の部屋以外にも使い道があります。
例えば、パーテーションで作った個室をリフレッシュスペースとして従業員に提供することが可能です。リフレッシュスペースを用意すれば、休憩時間を利用して息抜きをしたり、社内のコミュニケーションが活発になったりすることも期待できるでしょう。
従業員は会社に対して信頼感を抱きやすく、結果的に従業員の満足度向上が見込めます。従業員の満足度が高まれば、離職率の低下や生産性の向上につながります。
Web会議用スペースの確保
社内のミーティングや顧客との打ち合わせなど、さまざまな会議がWebで行われるようになっています。
パーテーションラボへのご依頼でも、「Web会議用スペースの不足」を課題にあげられてくるお客様は、まだ少なくありません。
実際、何人もの従業員がいるオフィス内、省スペースのオフィスでも、周囲の雑音や映り込みが快適なWeb会議の妨げとなっています。
周囲の目を気にしなくてすむ個室や、集中できるパーソナルブースがあれば、Web会議も行いやすいでしょう。
オンライン商談の充実度は、現代のオフィス作りに欠かせなく顧客とのコミュニケーションにも影響を与える経営課題となっています。
オフィスの個室作りに適したパーテーションは、いくつかの素材に分かれます。
ここでは代表的な下記3つのパーテーションについて、特徴を解説します。
アルミパーテーションは導入しやすさがメリット
アルミパーテーションは、アルミ製の柱で組み立てる仕様です。
軽量で扱いやすく、移設や解体も簡単に行えるのが特徴です。カラーバリエーションが豊富なので、比較的コストを押さえつつ、オフィスのインテリアに合わせて選んだりコーポレートカラーを取り入れたりすることもできます。
遮音性や断熱性には劣る
アルミパーテーションは、遮音性や断熱性に劣るのがデメリットです。
そのため、アルミパーテーションを用いたオフィスの個室で打ち合わせをするとなると、機密性に欠けてしまいます。
アルミパーテーションの中には、軽量化を目的として芯材にペーパーコアを使用しているタイプがあります。ペーパーコアを使用していると懸念されるのが防火性です。ペーパーコアを使用しているアルミパーテーションは防火性が低いため、オフィスが入るテナントの規約や安全性の観点から使用できない可能性があります。
スチールパーテーションは遮音性・断熱性に長けている
スチールパーテンションは、遮音性、断熱性、さらに防火性にも長けているのがメリットです。
そのため、機密性のある会議や打ち合わせであっても、外部に漏れるリスクを抑えられます。スチールパーテンションは柱がパネルの内部に収まるため、高級感を演出できるのもメリットでしょう。
導入コストはかさんでしまう
スチールパーテーションは、性能が高い分、導入コストがかさみやすいのがデメリットです。
また素材の性質上、重量があるため気軽にレイアウト変更しにくい点にも注意が必要です。スチールパーテーションは高級な見た目が生えるものの、デザインのバリエーションも少ないため、個室の利用目的によってはそぐわない可能性もあります。
ガラスパーテーションは圧迫感のない個室を演出できる
ガラスパーテーションはパネル部分がガラスでできているため採光性が高く、開放的な個室を作り出せます。
そのため、個室に入った従業員が圧迫感をおぼえにくいでしょう。また、誰が個室の中にいるのかも外部からすぐに判断可能です。
ガラスパーテーションであっても、フィルムやスモッグ加工などで開放性を保ちながら、プライバシーにも配慮した個室が作り出せます。
ガラスパーテーションはヒビの発生や割れるリスクがある
ガラスパーテーションは強い衝撃によってヒビの発生や割れてしまうというリスクがあります。
万が一、衝撃によってパーテーションのガラスが割れてしまうと、従業員のけがにつながりかねません。ガラスパーテーションが割れるリスクを抑えるには、強化ガラスを用いたものや飛散防止の機能が備わったものを導入しましょう。
プロが解説|アフターコロナのオフィス向けパーテーションの種類と特徴
オフィスの個室作りに用いるパーテーションは素材だけでなく、高さによっても2つの種類から選ぶことができます。
ハイパーテーションは高い機密性を実現可能
パーテーションの中でも背が高く、天井や床に固定して用いるのがハイパーテーションです。
ハイパーテーションを天井から床まで取り付け、四方を囲むことで高い防音性を実現できます。また、ハイパーテーションで作り出した個室に出入口を用意すれば施錠も可能です。防音性と施錠により、機密性の高い打ち合わせも行えるでしょう。
ハイパーテーションは原状回復工事が必要になる
ハイパーテーションを天井や床、壁に取り付ける際、場合によっては穴をあけて取り付けをする必要があります。
そのため、賃貸オフィスであれば穴をふさぐ原状回復工事が必要になる可能性があります。ハイパーテーションを施工した範囲や賃貸契約の内容にもよりますが、原状回復にあたっては工事費用を負担しなければなりません。
ローパーテーションは導入費用を抑えられる
ハイパーテーションよりも背の低いパーテーションがローパーテーションです。
ローパーテーションは、ハイパーテーションのように天井や壁に固定する工事が必要ありません。
そのため簡単に設置ができ、導入にあたっての費用を抑えられます。ローパーテーションで仕切った個室は上部が空いているため、開放感を得られるのも特徴です。
ローパーテーションは防音性に欠ける
ローパーテーションは開放感がメリットである反面防音性には欠けてしまいます。
個室の利用目的や重要視するポイントに合わせて、パーテーションの高さを選ぶとよいでしょう。
オフィスに新たに個室を設ける場合、造作壁を選択する方法もあります。
造作壁とは軽量鉄骨を下地として、石膏ボードを貼って表面材で仕上げる壁です。造作壁もパーテーションと同様、新たに個室を作り出すことが可能です。造作壁とパーテーションを比較すると、次のような点が異なります。 造作壁であれば壁をカーブさせるといったように、自由度の高い設計が可能です。また、遮音性の高い個室を作り出すことができます。
しかし、造作壁は工事に時間がかかる上に、移動やレイアウト変更時には取り壊さなければなりません。
一時的に個室を用意する、レイアウトを変更する機会が多いといった場合は造作壁よりもパーテーションの方が使い勝手は良いでしょう。また、パーテーションであれば導入・撤去の費用を造作壁よりも抑えることが可能です。
オフィスに個室を作る際は、次のようなポイントを押さえてパーテーションを選ぶのがおすすめです。
それぞれのタイプについて解説します。
機密性の高さを求めるならフルクローズ型
フルクローズ型とは、ハイパーテーションのように、天井から床までを仕切ったタイプの個室です。
フルクローズ型であれば防音性に優れているため、機密性の高い打ち合わせが実現できます。打ち合わせだけでなく、1on1ミーティングのようにプライバシーへの配慮が必要なケースにもぴったりでしょう。
複数の個室を設置するならセミクローズ型
従業員が集中して作業する部屋やWeb会議用の部屋は、多くの人が利用できるように複数の個室を用意することもあります。
その場合は、天井や背面が空いているセミクローズ型がおすすめです。セミクローズ型は遮音性こそフルクローズ型よりも劣りますが、一定のプライバシーを確保できる上に、導入費用を抑えられます。
複数の個室を設置するのであれば、費用が抑えられるセミクローズ型が適しているでしょう。
パーテーションで個室を作る際は、次のような点に注意しましょう。
それぞれの注意点について解説します。
消防法や建築基準法にのっとっているかどうか
パーテーションでオフィスに個室を作る際は、消防法や建築基準法にのっとっているかの確認が必要です。
完全に閉じたパーテーションで区切った個室は、消防法では部屋とみなされます。消防法において部屋とみなされると火災報知器などの消防設備などの設置が必要です。
また、ハイパーテーションを設置して天井から床までを仕切るには「防火対象物工事等計画届出書」や「防火対象物使用開始届出書」の提出が必須です。 建築基準法や消防法は定期的に改正されるため、常に新しい内容を把握しておく必要があります。そのため、法にのっとっているかどうかは施工を担当する専門家にアドバイスを受けながら確認しましょう。
お役立ちコラム | オフィス改装工事の消防署への届け出とは
天井がどのようなタイプであるか
パーテーションでオフィスに個室を設置する場合、パーテーションの種類だけでなく天井のタイプも確認することが大切です。
一般的に、天井には次のようなタイプがあります。
従来型天井
グリッド型システム
ライン型システム天井
それぞれの天井タイプの特徴について解説します。
従来型天井とはボードを組み合わせてできている天井です。吸音性に優れていて、オフィスだけでなく学校や病院などでも導入されています。個室の作成にあたっては、グリッド型システムやライン型システムよりもパーテーションが設置しにくい傾向にあります。
グリッド型システム天井
グリッド型システム天井とは、天井を格子状に組んでパネルや照明・空調といった設備をはめこんでいく仕組みです。パネルを交換すれば、自由にレイアウト変更が出来る特長があります。パーテーションの移設は比較的しやすいので、室内のレイアウト変更が多いオフィスに適しています。
ライン型システム天井とは、グリッド型と同じくシステム天井の一種です。ライン型システム天井は、照明がライン上に一列に配置されているのが特徴です。ライン型システム天井もグリッド型と同じく、パーテーションを設置しやすいでしょう。
工事についてオフィスビルの規約に記載があるかどうか
パーテーションの設置にあたって工事が必要な場合は、賃貸オフィスであれば契約しているオフィスビルの規約を確認しましょう。
規約によっては工事できる時間や曜日が指定されていることがあります。施工業者を探す際にも必要になる情報なので、早めに確認してください。
また賃貸契約の場合、工事内容によっては原状回復の費用が発生する可能性があります。パーテーションによってオフィスに個室を設置する場合、その後の引越しなども考慮してレイアウトを考えましょう。
搬入経路を確保できるかどうか
パーテーションを導入する際は、搬入経路を確保しなければなりません。
パーテーションのサイズによってはオフィスに運び込めない可能性があります。そのため、出入口や搬入経路の幅や高さを確認しておきましょう。
また、搬入できたとしてもエレベーターに乗りきらない可能性があります。エレベーターに乗りきらないと階段や作業者を使用することになるため、費用がかさむ恐れがあります。
個室が従業員の孤立につながらないかどうか
パーテーションで個室を作ることにより、従業員の集中力向上が期待できるでしょう。
しかし、個室によって従業員が孤立しないかを事前に考慮しておく必要があります。パーテーションによって従業員がどのような作業をしているか、把握しづらくなり、コミュニケーションの低下につながりかねません。
従業員の孤立やコミュニケーション不足を発生させないためにも、多少はコミュニケーションが取れる対策が必要です。例えば、座った状態では視界が遮れて、立ち上がると周囲が見渡される高さのパーテーションであればコミュニケーションを取りやすくなります。
パーテーションを使って、オフィスに個室を作ろう
パーテーションを使えば、用途ごとに応じた個室が用意できます。
個室を設置すると、業務の効率化やセキュリティの向上、従業員の満足度向上といったメリットにつながります。
アルミパーテーション、スチールパーテーション、ガラスパーテーションといった素材、ハイパーテーション、ローパーテーションといった異なる高さのものなど、それぞれに機能性と特性をもったさまざまな種類のパーテーションがあります。
目的に応じた種類を選ぶことが大切ですが、施工設置には注意点があるため、消防法や建築基準法にのっとった導入が可能か、希望するパーテーションが設置できる天井なのかを専門業者に必ず確認してください。また、パーテーション個室を導入することで、逆に業務に支障と混乱が生じないよう、配慮することも大切です。
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