オフィスや店舗の内装を仕上げる際に、パーテーションと並んで検討されるのが「LGS」です。

LGSは造作壁のことを指し、オフィスや店舗、マンションの内装など多くのシーンで活用されています。LGSという言葉は知っていても、LGSの特徴やメリット、デメリットには具体的にどのようなものがあるか、分からない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、オフィスや店舗の間仕切りにLGSの導入を検討している方に向けて、LGSを導入するメリットやデメリット、ハイパーテーションとの違いなどを説明します。本記事を読んで、オフィスや店舗の空間をより効果的に間仕切りする方法を検討しましょう。

 

1.LGSとは

LGSとは「Light Gauge Steel」の略です。

 LGSとは「Light Gauge Steel」の略です。それぞれの単語は、ライト(軽い)、ゲージ(規格/標準)、スチール(鉄骨/鉄鋼)を意味し、軽量で規格化された鉄骨のことを表しています。

軽さと強度を兼ね備えた鉄骨のLGSは、内装工事で造作壁や天井の下地材として使われています。十分な強度を持ちながら手軽に施工できるのが特徴です。

 

オフィスの間仕切りにも用いられる

LGSは、オフィス空間の間仕切りにも広く利用されています。

LGSを使って組み立てた支柱に石膏ボードを取り付けると「LGS造作壁」になります。石膏ボードの表面に貼るクロスの色やデザインにこだわると、オフィスの雰囲気に合ったおしゃれな造作壁を作ることも可能です。

 

2.LGSの厚さ・形状

 LGSの厚さは1.6〜4mmほどで、「溝形」「山形」「Z形」などさまざまな形状があるのが特徴です。

壁や天井に用いられるLGSはJIS規格で定められており、壁用は5種類、天井用は2種類の規格が存在します。作りたい壁や天井に合わせて、さまざまな形状のLGSを組み合わせて造作壁の基礎部分を作っていきます。

 

3.LGSのメリット

LGSのメリット

 

オフィスや店舗などにLGSを使うメリットには具体的にどのようなポイントがあるのでしょうか。ここではLGSの主なメリットを3つ紹介します。

 

素材が安定しており強度がある

オフィスや店舗などの造作壁にLGSを使うメリットの一つに、素材が安定していて強度に優れている点があります。

LGSは鋼から作られているので、木材で土台を作る場合に比べると安定性が高いです。例えば、天然の木を切り出して作った木材は、空気中の湿度や経年変化によって反りや割れが発生したり、シロアリなどの被害を受けたりする可能性があります。しかし、LGSは変化が少ない素材なので、安定性を長年保てます。

また、鋼なので耐火性に優れているのも良いポイントです。特にオフィスや店舗などのテナントが多く入っている建物では、建築基準法によって不燃材料の使用が求められるケースも少なくありません。その点からも、LGS耐火性に優れ、火災時も強度が変わりにくいLGSは、オフィスや店舗作りに適した素材です。

壁の中に配管・配線を通せる

造作壁の中に配管や配線を通せることも、オフィスや店舗にLGSを使うメリットの一つです。

LGSは基本的にランナーとスタッドで構成され、その下地に石膏ボードを取り付けて仕上げています。そのため、石膏ボードの間に配管設備や電気配線を通すスペースがあるのが特徴です。この隙間に、オフィスでは電話線や電子機器の電源、店舗では効果的なディスプレイに必要な電気配線などを通せば、配線の収納と効果的な設置が可能です。

またこのスペースに断熱材を入れると、部屋の断熱性能を高め、室温を一定に保ちやすくする効果も期待できます。

建物への負担や作業員の負担を抑えられる

従来の木材やRC(鉄筋コンクリート)に比べて、LGSは軽量なので、オフィスや店舗などの建物や作業員への身体的負担が少ないこともメリットの一つです。

前述の通り、LGSはその軽さが魅力です。軽量なLGSを使用すると、造作壁を増設してもオフィスや店舗が入っている建物全体への負荷を抑えられます。

またLGSの設置工事を行う際も、作業員の持ち運びが容易になるため、一日中作業をしていても資材の重さによる身体的な負担が少なく、作業効率が向上しやすいでしょう。

 

4.LGSのデメリット

LGSのデメリット

 

 多くのメリットがあるLGSですが、いくつかのデメリットもあります。ここでは、オフィスや店舗でLGSを使う主なデメリットを2つ紹介します。

 

細かな調整が難しい

鋼でできているLGSは、施工現場で細やかな調整ができない点がデメリットの一つです。

例えば、木材を土台に使った施工現場では、複雑な下地を作る必要があれば木を削ったり重ねたりして細かい微調整を行うことができます。しかし、LGSの素材はそのような柔軟な対応ができません。そのため、複雑な下地を組む必要がある現場では施工が困難になる場合があります。

解体に時間・費用がかかる

オフィスや店舗にLGSを使った造作壁を施工すると、解体に時間や費用がかかるのもデメリットの一つです。

LGSを施工する際、天井にドリルを使用してアンカーを打ち込み、釣りボルトをアンカーに取り付けて鋼材を吊り下げる方法が一般的です。さらに、地面側の鋼材も格子状にビス留めをして仕上げるので、全体的に強固な作りになっています。そのため、LGSを使った造作壁の解体には時間やコストがかかることを覚えておきましょう。

またLGSを使った造作壁は一度設置すると位置が変えられないので、オフィスや店舗のレイアウト変更に柔軟に対応できないこともデメリットの一つです。

さらに、オフィスや店舗の入っている建物を退去する際、原状回復工事によって発生したLGSの廃材は「産業廃棄物」として適切に処分する必要があります。産業廃棄物の処分には細かいルールがあるので、専門業者に依頼して処分してもらうと良いです。一般的に産業廃棄物の処分にはコストがかかるため、処分の複雑さやコスト面もデメリットに入るでしょう。

 

5.間仕切りにはハイパーテーションもおすすめ

 オフィスや店舗の空間を効果的に仕切るには、ハイパーテーションの設置もおすすめです。

ハイパーテーションは天井から床までをしっかりと間仕切りできるので、個室と同じプライバシーを確保できます。そのため、社員が仕事に集中しやすいオフィス環境を作ることが可能です。

また、ハイパーテーションにはアルミやスチールなどの耐久性のある素材が使われているので、LGSと同じく長期間安定した品質が維持できます。見た目の色やデザインなどもオフィスや店舗の雰囲気に合わせてカスタマイズできるため、設置する空間に調和しやすい点も魅力です。

さらに、ハイパーテーションはシンプルな仕様なため、LGSに比べると設置や撤去が比較的簡単です。一般的な施工工期は1〜2営業日なので、オフィスや店舗の施工工期が短くても対応しやすいでしょう。オフィスや店舗の移転の際は移転先で再利用ができるのも大きなメリットです。

できるだけハイパーテーションの導入コストを下げたい方は、アルミパーテーションを選ぶと比較的安価な費用で施工できるのでおすすめです。

 

6.まとめ

 LGSは、オフィスや店舗の内装を仕上げる際に広く使われている軽量で強度のある造作壁です。軽量の鋼材でできているLGSは強度があり火災時に燃えにくいため、建築基準法を満たした工事が可能です。また壁の中に配線や配管を通したり、建物や作業員の身体的負荷を軽減したりするなど、多くのメリットを紹介しました。

一方で、LGSには施工時の細やかな調節が難しかったり、解体に時間やコストがかかったりするなどのデメリットも存在します。LGSを使った造作壁は、一度設置すると位置変更ができず、オフィスや店舗のレイアウト変更ができない点も大きなデメリットです。

これらのデメリットを補完しつつ、オフィスや店舗の空間を効果的に仕切る方法にはハイパーテーションの設置がおすすめです。

パーテーションラボでは、パーテーションに関する専門の知識を持ったスタッフが、お客さまの予算やニーズに応じた最適なハイパーテーションの導入を提案します。オフィスや店舗の演出したい雰囲気や好みの素材、予算など、どのようなことでもご相談ください。デザイン性と機能性を兼ねそろえたハイパーテーションなら、オフィスや店舗の空間のニーズに柔軟に対応できます。

オフィスや店舗のレイアウト変更や移転の可能性がある空間の間仕切りを検討している方は、パーテーションラボが取り扱っているハイパーテーションをご検討ください。

 

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